F14戦闘機の退役は正しかったのか?
アメリカ空軍のF15と並んで海軍の主力戦闘機だったF14は2006年に退役しています。トム・クルーズ主演の映画「トップ・ガン」にも登場した戦闘機の退役は多くの人々に惜しまれました。これは冷戦後にはソ連のようにアメリカの空母機動部隊にミサイル攻撃を仕かけられる勢力がなくなったと見られたためです。そのため、より低価格でマルチロール性に優れたFA18にとって代わられました。
艦隊防空を主任務としたF14の特徴は強力なレーダーで敵の攻撃機やミサイルを捕捉し、一度に複数の攻撃目標を破壊できることでした。これはソ連のTu22バックファイアー戦略爆撃機が仕かける飽和攻撃(一度に多数のミサイルを撃ち込んでくること)から空母機動部隊を守るためです。以下のビデオではF14が敵のキャリアー・キラー(空母攻撃)ミサイルをどのように撃墜するかが述べられています(21:00~23:00を参照)。
The F-14 Tomcat Fighter Jet - YouTube
ところが2000年代より東シナ海と南シナ海での立場を強めようとする中国が、アメリカ海軍を自国周辺から追い出そうとしてキャリアー・キラー・ミサイルの開発に力を注ぐようになりました。冷戦終結時にはイージス艦で艦隊防空は大丈夫とされましたが、中国の軍拡でこれは修正を迫られるでしょう。また、イランもこうしたミサイルによってアメリカ海軍を自国近海から追い出そうとしています。
さて、アメリカ海軍はF14トムキャットに代わるミサイル撃墜システムを開発するのでしょうか?もう数年で配備されるF35Cステルス戦闘機は、キャリアー・キラー・ミサイルから艦隊を防空できるのでしょうか?さらに新しい技術で敵のミサイル攻撃から艦隊を守るのでしょうか?
上のビデオによると、退役したF14の内の167機がアリゾナの砂漠で保存されているようです。場合によっては、こうした戦闘機が現役復帰することもあるのでしょうか?